暮らしの薬学【家庭用洗剤・除菌/漂白編】~①除菌・漂白とは
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暮らしの薬学【家庭用洗剤・除菌/漂白編】~①除菌・漂白とは

薬局活用ガイド

毎度ご覧いただき、ありがとうございます。
薬局活用ガイド編集部のミズホです。
「暮らしの薬学」は家庭用洗剤をテーマに6回シリーズでお届けしていきますが、今回から「除菌/漂白編」に突入します。

いやー、しかし。
それにしても最近どうですか。もうこの調子で2年が過ぎましたよ。

ミズホ「コロナウイルスさわぎで消毒とか除菌とか敏感になってしまって。とりあえず、“コロナ対策”って書いてある商品を買って使っているわけだけど・・・。一時はその商品も品薄だったよね。でも、家庭にある洗剤でコロナ対策できるって聞いたんだけど、それって、何気なく使っていた家庭用洗剤ってとっても強力なものだったりするのかな~」

薬剤師ナナコ「家の中で使う洗剤でコロナウイルス対策ができるのよ。試験してちゃんと効果があるってことがわかっている洗剤もあるよ。それから、台所でいつも使っているふきんとか、湯飲み、コップの茶渋をきれいにするときに使う「漂白剤」にも効果があるって知ってる?前回は、家庭用洗剤で“洗う”ことを説明したけど、今回は、家庭用洗剤で“除菌・漂白”の科学を勉強しましょう。

家の中の「除菌」には、漂白剤が大活躍!

前回、家庭用洗剤の「洗浄」について説明しました。洗浄は微生物や汚染物質の付着を取り除く行為でしたね。微生物の中には、人に有害な病気をもたらすこともあり、それらを取り除くことを「殺菌」「消毒」「滅菌」「除菌」「抗菌」と表現します。何気なく日常的に使っているこれらの言葉は混同されやすいのですが、それぞれの意味のニュアンスが違います。「殺菌」は地球上のあらゆる「菌を殺す」、「消毒」は特に人に有害な病気の原因となる「微生物=毒を消す」、「滅菌」は有害・無害問わず、微生物を「殺滅させる」。これら3つは薬機法で定められた用語であり、医薬品や医薬部外品で認められたものに使用し、家庭用洗剤などには使いません。ですから、実際に殺菌(菌を殺す)、消毒(毒を消す)効果があっても医薬品・医薬部外品ではないため、家庭用洗剤では「除菌」「抗菌」*という言葉を使います。

*広い意味で「抗菌」とは、「滅菌、殺菌、消毒、除菌、防腐」などを指します。

以上の言葉を整理すると・・・この暮らしの薬学【家庭用洗剤・漂白編】で紹介する漂白剤(特に、塩素系漂白剤)は食器・ドアノブ等の物の除菌に使われ、一方、手指など人体に用いる場合は、消毒剤「医薬品・医薬部外品」(「医薬品」「医薬部外品」との表示のあるもの)を使用するということになります。

衣類(暮らしの薬学【衣類用洗剤・漂白編】で紹介します)を除いて家庭内で使用する「漂白剤」には台所用、トイレ用、カビ取り用(主にお風呂で使用)の3種類があります。ふきんを白くする漂白作用と、酸化反応で汚れ(有機物、雑菌)を分解して取り除く「除菌作用」があります。

参考までに、菌や微生物を取り除く行為には他に、「消臭」(「消臭」についてはこのシリーズでは詳しく説明しません)があります。「消臭剤」の従来の方法は、マスキングと脱臭でした。しかし現在は悪臭のもととなる菌を殺すことでにおいを消す「除菌で消臭」商品が増えてきました。

次回は「除菌」と「漂白」について、その成分や性質について説明しましょう。

Q. 台所用品の熱湯消毒は効果がありますか?

食中毒や感染症の原因となるほとんどの細菌やウイルスは85℃以上で1分間以上加熱すると、死滅あるいは不活化します。熱湯を対象物にかけるなどの“熱湯消毒”はやけどなどの危険も伴うため簡易な方法とは言いにくいです。また、熱湯といえどもかけた段階ですでに急激に温度が下がってしまっていたり、スポンジなどは内部に空気や水分を含んでいるため殺菌できる十分な温度まで上がっていないということもあります。その結果、微生物にとって50℃を下回るような温度環境は、かえって微生物の繁殖の手助けになってしまいます。大きな鍋に熱湯を入れ、消毒したいものをしっかり浸けて煮沸するのが一番よいでしょう。ただ、煮沸消毒できる素材は、耐熱ガラス、耐熱プラスチック、ホーロー、ステンレス、木綿です

もっと勉強したい人に~参考リンク・参考図書

「滅菌・殺菌・除菌・抗菌」などの用語(日本石鹸洗剤工業会)

除菌や消毒をうたった商品―新型コロナウイルスに関連して―(国民生活センター)

新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめました。~物品への消毒に活用できます~(nite:独立行政法人製品評価技術基盤機構)

ご家庭にある洗剤を使って身近な物の消毒をしましょう(経産省)

<参考図書>

洗浄と殺菌のはなし
本当はおもしろい化学反応―漂白剤の白さや混ぜると危険な理由など身近な化学反応の秘密
命を守るための掃除術

<関連記事>

暮らしの薬学【家庭用洗剤・除菌/漂白編】
①    除菌・漂白とは
②    除菌/漂白成分の種類と性質
③    漂白剤の選び方と注意事項
④    家庭内の感染対策

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<この記事をまとめた人>
ミズホ
「薬局活用ガイド」編集部員。埼玉県在住。中2の長女、小4の長男の子育てをする二児の母。

<書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。

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