暮らしの薬学【家庭用洗剤・洗浄編】~②界面活性剤とは
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暮らしの薬学【家庭用洗剤・洗浄編】~②界面活性剤とは

今回は、洗剤が汚れを落とすときに威力を発揮する「界面活性剤」について説明します。

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界面活性剤とは

まず「界面」というのは、2つの物質の境目を言います。
例えば油と水を混ぜて(混ざりあいませんが)、しばらく放置すると上に油、下に水と2層に分かれますよね。その境目が界面なのです。液体同士の境目だけでなく、液体と気体、気体と固体、液体と固体でもその境目を言います。

雨のしずくが落ちると丸い玉になる・・・水には表面張力という表面をできるだけ縮めようとする力が働いた結果、丸い玉になるのですが、先ほどの水と油も界面(それぞれの表面、つまり境目は界面と呼ぶ)の場合も、それぞれができるだけ縮めようとする力が働いた結果、2層に分かれるのです。そして、この水と油の界面にあるできるだけ縮まろうとする力(=界面張力)を低下させる作用を界面活性といいます。この界面活性作用を持つものが界面活性剤です。この作用の他に、乳化、懸濁、起泡、浸透作用などの作用もあります。水と油が2層に分かれたところに洗剤を入れて再び混ぜると両者はまじりあい、放置しても2層に分かれることはありません。
界面活性剤がどのように界面張力を低下させるかというと・・・・界面活性剤の分子は、親油基(疎水基)と親水基(疎油基)になっています。親油基は油と馴染み、親水基は水と馴染み、交じり合わない水と油の間の界面をこの界面活性剤が取り持つことによって張り合っている力(張力)を仲裁するんですね。

その結果、衣類に着いた油汚れや食器に着いた油などをこの界面活性剤が取り持つことで、水に溶けやすくして衣類や食器から油汚れを取り除くのです。

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Q.シャボン玉ってどうしてまんまるの球体になるの?


台所用合成洗剤の水溶液をつくりストローで空気をいれるとシャボン玉ができます。シャボン玉のように球形の膜ができるのは、界面活性剤の働きで水の表面張力を小さくするためです。界面活性剤の分子は、シャボン玉の内側と外側つまり空気側の膜の表面に規則正しく並んでいます。
シャボン玉に光線があたると、光の一部はシャボン膜の表面(外側)で反射し、他は内側で反射します。この二つの反射光の波長が干渉し合って山と山、谷と谷が一致したときにはなやかな色となります。またシャボン玉の泡を太陽の光に透かして見ると虹色に輝いて、泡の膜は激しく流動しているのが認められます。これはマランゴーニ効果と呼びます。こうしてシャボン玉の表面にはきれいな虹色が動いて見えてふわふわ飛んでいくんですね。

もっと勉強したい人に~参考リンク・参考図書


界面活性剤とは(花王)
※図や写真が載っているので分かりやすいです。

<参考図書>
『よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み』
『すっきりわかる!くらしの中の化学物質大事典』

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。

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