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骨粗鬆症になった場合の金額シミュレーション例~薬局とお金の話⑰

薬局活用ガイド

今回は骨粗鬆症の治療にどのくらいの金額がかかるのかについて、薬剤師でありファイナンシャルプランナーでもあるgorisanがシミュレーションし、解説させていただきます。

骨粗鬆症は、加齢や女性ホルモンの減少など、遅かれ早かれ誰にでも訪れる変化により引き起こされる疾患です。骨密度が低下することで骨がスカスカになり、軽い転倒などでも骨折などの大怪我に至る可能性が高まります

そのため、骨粗鬆症の治療はできる限り早期から取り組む必要があります。もっと言えば、骨密度が骨粗鬆症と判定されるレベルまで低下する前に食事や運動など生活習慣をケアすることも重要です。

特に女性は閉経後、女性ホルモンの分泌量が低下することで骨密度が低下しやすくなりますので、年齢に関わらずホルモンバランスの変化が起こったタイミングで一度骨密度や血液の検査を受けておくことを勧めます

そして骨粗鬆症の治療は以前と比べるとずいぶん簡単になり、現在では週1回の薬が主流となり月1回の薬も登場しています。そのため治療にかかる時間・金銭コストも下がっており、早期からの治療がさらに推奨されています。

<骨粗鬆症の薬物治療にかかる金額例>

今回は月に1回病院を受診し、骨粗鬆症の治療によく使用されている代表的な薬剤を2種類服用していると仮定します。服用している薬剤は、骨の合成に必須となるビタミンD製剤のエディロールと骨破壊を抑制することで骨密度を維持するボナロンと仮定します。

・エディロール錠0.75μg 1錠92.7円

・ボナロン錠35mg(週1回タイプ) 1錠427.4円

エディロールは1日1回朝食後1錠と仮定すると、92.7円×30日=2771円。ボナロンは週1回起床時1錠と仮定すると、427.4円×4回=1710円。3割負担であれば合わせて約1650円/月必要です。

これに加えて病院でかかる費用=再診料(730円)+処方箋料(680円)、さらに薬局でかかる費用=調剤基本料1(420円)+地域支援体制加算(380円)+後発医薬品体制加算2(220円)+薬学管理料(430円)+調剤料(1540円)=4400円かかります。3割負担であれば約1500円です。

固定でかかる費用は3150円/月、実際には各種検査が加わる場合もありますので、あくまでも参考値ですが3500~5000円/月くらいはかかると考えてください。また医療機関への交通費そして通院にかかる時間を考えると金銭面以上のコストがかかります。

<骨折に伴うデメリット>

部位にもよりますが、骨折してしまうと完治するまで長期間固定しなければならず、完治したとしてもリハビリにも同程度かそれ以上の時間がかかります。これは高齢になればなるほど大きな問題です。

特に足や腰を骨折してしまうと寝たきりの状態が長くなり、筋力・認知機能の低下が懸念されます。高齢でのリハビリは非常に大変で難しいので、骨折前の状態まで回復するのは至難の技です。

だからこそ骨粗鬆症の治療は早期から行うことは非常に重要であり、骨折を防ぐことで筋力・認知機能を維持することは老後のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を向上させるためには必須です。

骨粗鬆症は、骨折するまでは骨密度低下くらいしか症状がない疾患なので、なかなか治療を開始する気が起きないかもしれません。しかし、骨折後のデメリットを考えると絶対に治療をしたほうがよいです。

加齢に伴い身体は徐々にメンテナンスが必要になります。自動車をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。メンテナンスに多少お金を掛けてでも、自分の身体を長く大事にしてあげてください。

<この記事を書いた人>
gorisan
地方の小規模チェーン調剤薬局の薬剤師。薬剤師歴12年。3児の父。認定実務実習指導薬剤師。FP技能士3級。


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