高脂血症・脂質異常症になった場合の金額シミュレーション例~薬局とお金の話⑮
見出し画像

高脂血症・脂質異常症になった場合の金額シミュレーション例~薬局とお金の話⑮

薬局活用ガイド

脂質異常症(高脂血症)は代表的な生活習慣病の1つであり、他の生活習慣病の入り口となる可能性がある疾患です。脂質異常症だけでは、肥満など体形に変化があらわれるくらいしか症状はありませんが、放置すると高血圧や糖尿病など他の生活習慣病や動脈硬化などの原因となります

そのため、脂質異常症の治療はできる限り早期から取り組む必要があります。もちろん基本となるのは生活習慣の改善、特に食生活の改善です。消費カロリー>摂取カロリーとなるようにカロリーコントロールをし、魚やオリーブオイルなど良質な脂質を摂取する割合を増やしましょう。

生活習慣の改善だけで数値が良くならなければ医薬品によるサポートが必要になります。脂質異常症が進行すれば進行するほど健康面でのデメリットは増え、金銭コストも増大していきます。今回は脂質異常症の治療にどのくらいの金額がかかるのかについて、薬剤師でありファイナンシャルプランナーでもあるgorisanがシミュレーションさせていただきます。

画像1


<脂質異常症の薬物治療にかかる金額例>


今回は月に1回病院を受診し、脂質異常症の治療によく使用されている代表的な薬剤を1種類服用していると仮定します。服用している薬剤は、肝臓でのコレステロール合成を阻害するスタチン系薬剤のクレストールを服用していると仮定します。

・クレストール錠2.5mg 1錠47.8円(ジェネリックは8.6円)

クレストールは1日1回夕食後1錠と仮定すると、47.8円×30日=1434円。3割負担であれば約430円/月必要です。ジェネリック医薬品を使用したとすると、8.6円×30日=258円。3割負担であれば約77円/月となります。

これに加えて病院でかかる費用=再診料(730円)+処方箋料(680円)、さらに薬局でかかる費用=調剤基本料1(420円)+地域支援体制加算(380円)+後発医薬品体制加算2(220円)+薬学管理料(430円)+調剤料(1540円)=4400円かかります。3割負担であれば約1500円です。

固定でかかる費用は1800円/月、実際には各種検査が加わる場合もありますので、あくまでも参考値ですが2000~3000円/月くらいはかかると考えてください。また医療機関への交通費そして通院にかかる時間を考えると金銭面以上のコストがかかります。

画像2


<脂質異常症から始まる生活習慣病>


30~40代になると、10~20代に比べて運動量も基礎代謝も落ち、逆に飲酒量や食事量が増えることで太りやすくなります。肥満が進行すると脂質異常症となり、脂質異常症を放置することで血管内にLDL(悪玉)コレステロールが増加します。

血管内にLDLコレステロールが沈着すると、インスリンなど各種ホルモンの効きが悪くなり糖尿病などの原因となります。また、血管内にコレステロールが沈着することは動脈硬化の原因となり、血がドロドロになることは高血圧の原因となります。

こうして脂質異常症だけだったのが、糖尿病・高血圧・脂質異常症の3大生活習慣病の治療が必要となり、さらに進行すると視覚障害・腎臓病・神経障害・脳内出血・心筋梗塞など重大な合併症へと繋がっていく…これが生活習慣病の恐ろしさです。

逆に言えば脂質異常症だけの段階で止めることができれば、この悪い流れを断ち切ることができます。生活習慣病の治療は効果が目に見えにくく面倒なのは分かりますが、とても重要であり早ければ早いほどメリットが大きいことは知っておいてください。

医療機関での治療も数値が改善してくれば不要になり、生活習慣の改善だけでよくなるケースも非常に多いです。病院へ通うのが面倒という方は、まずはこのステップを目指してみてはいかがでしょうか。

<この記事を書いた人>
gorisan
地方の小規模チェーン調剤薬局の薬剤師。薬剤師歴12年。3児の父。認定実務実習指導薬剤師。FP技能士3級。

御礼申し上げます
薬局活用ガイド
賢く薬局を活用するための情報をお届けしていきます。薬を安全に使うために、そして健康づくりのために、あなたにとって「良い薬局」を見つける役に立ちますように。プロフィール:https://bit.ly/3fDAWvz