お薬代を増やさないためには~ポリファーマシーの金銭的な損失~薬局とお金の話㉑
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お薬代を増やさないためには~ポリファーマシーの金銭的な損失~薬局とお金の話㉑

薬局活用ガイド


ポリファーマシー(多剤併用)とは、必要以上に多くの薬を飲んでしまっている状態のことで、目安としては6種類以上の薬を飲んでおり、そのうちいくつかの薬が飲む必要のない薬であるといったケースです。
このポリファーマシーは、医療費の大半が保険制度によって賄われている日本においては大きな問題です。個人の収支を考える上でも意識すべき問題について薬剤師でありファイナンシャルプランナーでもあるgorisanが解説させていただきます。

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〈ポリファーマシーが招く医療費増加~社会問題に〉


ポリファーマシーの原因としては、処方数が多いだけでなく①潜在的に不適切な処方がある②必要でない薬が処方されている③重複処方が行われているなどのケースが考えられます。

ポリファーマシーになると、副作用のリスクが高まるだけでなく、薬を飲みすぎてしまったり、逆に飲み忘れてしまったりする服薬ミスが増えてしまいます。そして金銭面のコストも増加してしまいます。

特に多いのはメインとなる疾患ではなく、補助的に処方される薬です。特に漢方薬やビタミン剤、湿布などは医療費の増大と密接に関係しており、保険適応外にすべきではないか?という議論が何度も行われています。

国家予算における医療費の割合は年々増加しており、なかでも高齢者の医療費は平均寿命の伸びもあり増加の一途を辿っています。これは国民皆保険制度が始まった段階では想像もできなかった事態なのだと思います。

そのため後期高齢者の対象年齢が引き上げられ、前期高齢者の負担割合が増え、ジェネリック医薬品が国を挙げて推奨されていますが、それでも医療費を減らすことができず診療報酬や調剤報酬は引き下げられ、薬価は年々削られています。

医療にかかるコストが下がることは一見良いことと考えられるかもしれませんが、その結果として医薬品開発をやめてしまう企業が増え、医療従事者の給与水準が下がり優秀な人材はプログラマーなどIT方面へと流れるようになりました。

ポリファーマシーぐらいでそれほどの問題になる訳がないと思うかもしれませんが、仮に1ヶ月1000円分のポリファーマシーを削減できたとすると、年間では12000円であり保険分も含めると約6万円になります。

これを国民の20人に1人としても600万人なので、大体3600億円が毎年ポリファーマシーによって無駄になっていると言えます。企業の利益分を引いたとしても2000億円は無駄になっています。

純粋に医療費として使えるお金が2000億円あれば様々なことが出来ます。人材や設備を充実させ、医療の質を底上げすることができれば、結果的に恩恵を受けることができるのは医療従事者だけでなく医療を受ける方なのです。

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〈自分の飲んでいる薬を見直してみましょう〉


このままだと長くなりそうなので、このくらいで国の問題は置いておきましょう。しかし、ポリファーマシーは自分の健康のリスクとなり生活の負担になるだけでなく、目に見える金銭面以外のデメリットもあることは分かって頂けたのではないでしょうか?

ではどのようにしてポリファーマシーを解消すればよいのか?もちろん自分で薬について理解することが一番良いですが、医師や薬剤師など薬の専門家を上手に活用することをすすめます。

お薬手帳で自分の飲んでいる薬をキチンと把握し、効果の重複している薬や用途のよく分からない薬について、なぜ飲む必要があるのか?という根拠について薬の専門家に相談してみましょう。

ポリファーマシーを解消することで、自分の健康を守り、生活を少し豊かにし、医療の無駄を省く一助となるとすれば、やらない理由はないと思います。そして何より薬を飲む量が減るのは喜ばしいことだと私は思います。

<この記事を書いた人>
gorisan
地方の小規模チェーン調剤薬局の薬剤師。薬剤師歴12年。3児の父。認定実務実習指導薬剤師。FP技能士3級。

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