暮らしの薬学【家庭用洗剤・洗浄編】~③洗剤の成分、分類
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暮らしの薬学【家庭用洗剤・洗浄編】~③洗剤の成分、分類

界面活性剤のことがわかったところで界面活性剤にどんな種類があるか、合成洗剤とか石けんとかいろいろな名称について説明します。

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洗剤の成分と分類

家の中で使っているいろいろな洗剤の容器に書いてあることをじっくりと見たことありますか?毎日使う身近なものでは・・・・食器用洗剤の「キュキュットクリア除菌」の容器の表には“食器用洗剤”、「品名」には“台所用合成洗剤”、「液性」弱酸性、そして「成分」には“界面活性剤(34%アルキルヒドロキシスルホニルベタイン)、高級アルコール系(陰イオン))*、安定化剤、除菌剤”と表示があります。お風呂用洗剤の「ルックプラス バスタブクレンジング」の表には“浴室用洗剤”、「品名」には“浴室用合成洗剤”、「液性」弱アルカリ性、「成分」には、“界面活性剤(3%アルキルスルホン酸ナトリウム)、金属封鎖剤、溶剤、pH調整剤”と表示されています。

※「液性」「成分」については、暮らしの薬学【衣類用洗剤・洗浄編】で解説します。

キッチンのコンロピカピカに!って時に使う「マジックリンハンディスプレー」には “台所用強力洗剤”、「品名」には“住宅用合成洗剤”、「液性」アルカリ性、そして「成分」には“界面活性剤(1%アルキルアミンオキシド)、泡調整剤、アルカリ剤”と表示されています。
ここでお気づきになったでしょうか、そう、“●●用合成洗剤”には“界面活性剤”が入っているということを。
おや~これは違う!そう、「シャボン玉台所用せっけん液体タイプ」です。これは、表にも「品名」も“台所用せっけん”、「液性」弱アルカリ性、「成分」には“純せっけん分(23%脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム)と表示されています。見た目は同じ、食器を洗う液体の洗剤ですが、ここには”界面活性剤“の文字がありません。「純せっけん分」が界面活性剤なんです。一般に、石けん以外の界面活性剤を使っているものを合成洗剤といいます。

※洗たく用洗剤や台所用洗剤等では、「家庭用品品質表示法」に基づき表示するように定められています。

Q.石けんと合成洗剤はどうちがうの?

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石けんは、主に天然の動植物油脂や脂肪酸を原料として作られます。動物油脂の場合、牛・豚・魚の油を、植物油脂の場合はヤシ油、パーム核油、米ぬか、大豆油などが原料となります。これらの油脂とアルカリを反応させて作ります。合成洗剤は、石油など、工業原料として合成界面活性剤から作られています。現在では台所用洗剤、衣類洗剤、シャンプー、液体の洗顔フォームのほとんどが合成洗剤です。表示成分(前述)から石けんか、合成洗剤か、複合石けん(石けんと合成洗剤がまざったもの)かがわかるようになっていますが、洗剤そのものだけみたら判別しにくいでしょう。ここでちょっとした実験で簡単にわかるので紹介しましょう。

石鹸と合成洗剤との見分け方

○ 用意するもの:細長い形のコップ、フィルムの空き容器、調べたい洗剤
○ 方法:コップに1/3くらい水をいれ、洗剤が粉末の場合は小さじ1/2弱くらい。液体は10滴くらい入れてよく振り泡を立てます。そこにお酢を5~6滴落としてよく振り混ぜます。

石けんだったら・・・・・液が白濁し泡が消える
合成洗剤だったら・・・・・液に変化なく泡が消えない
複合石けん(石けんと合成洗剤の複合剤)だったら・・・・・液が白濁し泡が消えない。

もっと勉強したい人に~参考リンク・参考図書


石鹸と洗剤の違い(シャボン玉石鹸)
キュキュットクリア除菌(花王)
洗剤などの成分表示と、ホームページにある成分情報との違い(家庭用品品質表示法)
界面活性剤の主な性質と種類(日本界面活性工業会)

<参考図書>
よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み
地球にやさしい石けん・洗剤ものしり事典―爽快!快適!科学する洗剤選びと洗い方―

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。

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