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暮らしの薬学【防虫剤編】~①衣類害虫について

薬局活用ガイド

ミズホ「急に涼しくなってきたから、夏服をしまって、秋冬のセーターとかカーディガンとか出さなきゃって思って、押し入れの衣装ケースをあけてみたのよ。そしたらお気に入りセーターに穴が開いてて・・・ショック!! 虫に食べられちゃったみたい。」
 
薬剤師ナナコ「ミズホさん、この春にセーターをしまうときにちゃんと防虫剤を入れた?そのセーターちゃんと洗ってからしまった?防虫剤について、そして正しい使い方を勉強しましょう。そして夏服もちゃんとしまいましょうね」

衣類を食べる虫はこんな虫!

衣類を食べる虫(食害虫)には、蛾蝶類であるイガ、コイガ、モウセンガや甲虫類であるヒメマルカツオブシムシ、ヒメカツオブシムシなどがあります。これらの害虫は、主に、羊毛、毛皮、羽毛、生糸、繭などの動物性繊維を好みます。また、牛乳、トマト汁などの食物のしみ、汗などの汚れがある衣類も大好きです。温度25~30度、相対湿度70~90%の環境条件において害虫の活動は活発になるので、6~8月に最も被害を受けやすいことになります。冬のセーターをちゃんと洗わずに何かしらのシミが残ったまま衣装ケースに入れておくと虫に食べられてしまうんですね。
気温が0度以下になると、幼虫の活動は静止しますが、20度になると再び食害をはじめるので、暖房が普及し、機密性の高い住宅では冬期においても虫害に注意が必要です。
蛾蝶類であるイガ、コイガ、モウセンガは、外で服に卵を産みつけて家の中やたんすに入り込みます。衣類の繊維の隙間にカプセルみたいな形の巣を作り、その巣を引きずりながら移動します。衣類を食べるのは幼虫の間だけで、成虫になると食べなくなるので害虫ではありません。また成虫でいる間は30日程度ですが、幼虫の期間は300日もあります。

Q.樟脳(しょうのう)って今は使われていない古いもの?

樟脳は、江戸時代の昔から、今も使われている成分です。現在、防虫剤としての樟脳もありますが、その数はとても少なくなりましたが、医薬品として使われています。樟脳は“カンフル”ともよばれ、明治の頃から昭和の戦前まで鎮痛・鎮静そして強心剤として注射剤があり、起死回生の妙薬として広く使われていました。今は、カンフル注射の存在は見ませんが、一般用医薬品のきず薬や虫刺され薬、肩こり筋肉痛用の塗り薬やパップ剤に利用されています。カンフルの鎮痛・鎮静効果、さらには皮膚との接触での清涼感を経験された方は多いでしょう。クスノキからうまれた樟脳は、歴史ある“天然もの”防虫剤であり今も現役の医薬品成分でもあります。

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク・参考図書


ウルトラがいちゅう大百科(金鳥)

<参考図書>
すっきりわかる!くらしの中の化学物質大事典
家屋害虫辞典

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。

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