クリニックで受診する場合とOTCで治す場合の比較、どっちがお得?(口唇ヘルペス編)~薬局とお金の話⑫
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クリニックで受診する場合とOTCで治す場合の比較、どっちがお得?(口唇ヘルペス編)~薬局とお金の話⑫

調剤薬局で薬をもらう場合と市販薬(OTC)を買う場合はどちらが金銭面でお得なのか?今回は口唇ヘルペスの治療について、薬剤師でファイナンシャルプランナーのgorisanが比較検討させていただきます。

今回はスイッチOTC(医療用医薬品と有効成分・効果効能が同一のOTC)であるアラセナS(有効成分ビダラビン)で費用比較をさせて頂きます。

・アラセナS軟膏 2g 希望小売価格1485円


※アラセナなど市販の「口唇ヘルペス再診治療薬」は、一度は受診して口唇ヘルペスと診断された方を前提に販売されるものです。過去に一度診断された方が、二度目以降の発症時に購入することができます。

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<クリニックを受診する場合>


クリニックを受診する最大のメリットは医師による診察です。素人判断で口唇ヘルペスだと思っていても他の疾患や感染症である可能性はもちろんあります。口唇ヘルペスであると自信が持てない場合は、まず医師の診察を受けることを勧めます。

医療機関への受診は保険適応となり、3割の自己負担(後期高齢者であれば1割※現役並の所得がある場合は別)で受診できます。ただし、薬価以外にも受診料や検査料、薬局での調剤料などが別途必要です。

初診料(2280円)+処方箋料(680円)+別途検査処置費用

※2回目以降は、再診料(730円)+処方箋料(680円)+別途検査処置費用

調剤基本料1(420円)+地域支援体制加算(380円)+後発医薬品体制加算2(220円)+薬学管理料(初回は570円、2回目以降は手帳持参で430円)+調剤料(100円)+薬剤料

※調剤基本料や地域支援体制加算、後発医薬品体制加算は薬局ごとに異なりますが、今回は一般的な調剤薬局が算定しているケースが多い上記の算定項目で計算させて頂きました。

・アラセナA軟膏 1g217.9円(2gでは435.8円)
※ジェネリック医薬品なら94.5円(2gでは189円)

これらの金銭面の負担以外にも、医療機関までの移動時間、医療機関での待ち時間が数時間単位で必要です。人気の医療機関であれば予約もなかなかとれません。診察とOTCでの治療の一番大きな差は、金銭面よりも時間面での負担かもしれません。


<ドラッグストアや通販で購入する場合>


ドラッグストアや通販で購入する場合は時間面での負担が少ないのが最大のメリットです。ドラッグストアでも薬剤師または登録販売者に相談することで、医師による診察には及びませんが適切に医薬品を選ぶことができるでしょう。

しかしOTCに使用されている有効成分は医療用よりも種類が少ないというデメリットもあります。最新の医薬品などは市販されていないのですが、口唇ヘルペスの治療においては今でも従来の医薬品が主流ですのでそれほどデメリットはないでしょう。

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<実際に費用比較してみよう!>


口唇ヘルペスの治療は1~2週間程度で完治するケースが多いので、アラセナS軟膏2gで十分です。逆にそれでも完治しない場合は、別の疾患や感染症が疑われますので、すみやかに医療機関を受診することをすすめます。

クリニックを受診する場合は、初回と完治確認の2回は受診(薬局は1回)することになるケースが多いです。つまり初診料+再診料がかかります。薬局は薬学管理料が570円+430円で計算すると以下のようになります。※今回は3割負担で計算しています。

(クリニックを受診する場合)

※初診料(2280円)はOTCの場合でも必要なので除外しています。

処方箋料(680円)+再診料(730円)+調剤基本料1(420円)+地域支援体制加算(380円)+後発医薬品体制加算2(220円)+薬学管理料(570円)+調剤料(100円)+薬剤料(436円)
 =3540円(四捨五入で計算)


3割負担であれば1300円くらいです。実際には処置が検査が加わる場合もありますし、薬局の基本料や加算が異なるケースもあるので、あくまでも目安として考えてください。

(ドラッグストアや通販の場合)

・アラセナS 2g 希望小売価格1485円

ドラッグストアや通販では希望小売価格の1~3割引くらいで売られていることが多いので、実際には1000円くらいだと思います。金銭面だけで見ると、口唇ヘルペスの治療はOTCのほうが安いですね。

過去に口唇ヘルペスと医療機関で診断されており、少し体調を崩すと口唇ヘルペスが出てしまう方など、頻繁に治療が必要で口唇ヘルペスの確率が高いと考えられる場合はとりあえずOTCを試してみて、悪化・継続するようなら医療機関を受診するというパターンでいいかもしれませんね。


<この記事を書いた人>
gorisan
地方の小規模チェーン調剤薬局の薬剤師。薬剤師歴12年。3児の父。認定実務実習指導薬剤師。FP技能士3級。

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