糖尿病になった場合の金額シミュレーション~薬局とお金の話⑪
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糖尿病になった場合の金額シミュレーション~薬局とお金の話⑪

こんにちは、薬剤師でファイナンシャルプランナーのgorisanです。今回新たなシリーズとして、疾患ごとに医療機関、薬局でかかる「医療費シュミレーション」を始めたいと思います。今回は糖尿病をテーマに取り上げます。

糖尿病は、病態と進行度そして合併症に応じて必要となる治療が異なります。一般的な2型糖尿病の場合、食事療法と運動療法→内服薬による薬物治療→インスリンによる薬物治療→糖尿病が原因として起こる合併症の治療、といった流れになります。

もちろん各段階でしっかりと治療を行えば糖尿病の進行を抑えることができますし、検査結果が良くなれば薬を減らしたりすることもできます。逆に検査結果によっては、最初からインスリンによる薬物治療が必要となるケースもあります。

進行すれば進行するほど健康面でのデメリットは増え、もちろん金銭コストも増加していきます。今回は糖尿病の各段階でどのくらいの金額がかかるのかシミュレーションしていこうと思います。


<糖尿病の薬物治療(内服薬のみ)にかかる金額例>

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今回は月に1回病院を受診し、糖尿病治療によく使用されている代表的な薬剤を2種類服用していると仮定します。服用している薬剤は、インスリン分泌をサポートするジャヌビア錠50mg(DPP4阻害薬)とインスリン抵抗性を改善するメトグルコ錠250mg(ビグアナイド系血糖降下剤)と仮定します。

ジャヌビア錠50mg 1錠112.8円(2021年時点ではジェネリック未発売)

メトグルコ錠250mg 1錠10.1円(ジェネリックでも薬価は変わらず)

ジャヌビアは1日1回朝食前1錠と仮定すると、112.8円×30日=3384円。メトグルコは1日3回毎食後1錠と仮定すると、10.1×3回×30日=909円。合計4293円、3割負担であれば約1500円/月必要です。

これに加えて病院でかかる費用=再診料(730円)+処方箋料(680円)、さらに薬局でかかる費用=調剤基本料1(420円)+地域支援体制加算(380円)+後発医薬品体制加算2(220円)+薬学管理料(430円)+調剤料(1540円)=4400円かかります。3割負担であれば1500円くらいです。

最低でも3000円/月、実際には血液検査が加わる場合もありますので、あくまでも参考値ですが3000~5000円/月くらいはかかると考えてください


<糖尿病の薬物治療(インスリン)にかかる金額例>

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今回は月に1回病院を受診し、糖尿病治療によく使用されている代表的なインスリンを2種類使用していると仮定します。服用している薬剤は、トレシーバ注フレックスタッチ300単位(持続型インスリン)とノボラピッド注フレックスタッチ300単位(超即効型インスリン)と仮定します。

・トレシーバ注フレックスタッチ300単位 1本2343円

・ノボラピッド注フレックスタッチ300単位 1本1799円

トレシーバは1日1回寝る前8単位(+空打ち2単位)と仮定すると、10単位×30日=300単位/月なので2343円。ノボラピッドは1日3回毎食前4単位(+空打ち2単位)と仮定すると、6単位×3回×30日=540単位/月なので1799円×2本=3598円。合計5941円、3割負担であれば約2000円/月必要です。

これに加えて注射前に血糖値を測定するキット、消毒綿、注射針が必要となります。これらは病院からもらえますが、血糖自己測定器加算(350~1490点)と在宅自己注射指導管理料(750点)がかかってきますので、3割負担であれば約5000円/月必要です。

これに先ほどの病院と薬局でかかる費用(1500円/月)を足すと最低でも約1万円/月、実際には血液検査が毎回必要ですし、血糖測定器の測定回数によってさらに費用がかかるので1~2万円/月かかると考えてください。

もちろん糖尿病が進行すれば注射量が増えて必要な金額はさらに増えますし、合併症になればそれらに対する治療も必要となってきます。特に糖尿病の3大合併症(腎症、網膜症、神経障害)には注意が必要であり、放置すると透析などになるリスクもあります。

透析にかかる費用はとても高額で月に40万程度かかるといわれますが、医療費の助成制度を利用すれば月1万円(一定以上の収入がある場合は2万円)の自己負担となります。そして自己負担額についても助成制度があるので費用はそれほど問題ではありませんが、身体への負担と週3回程度数時間透析を受ける時間を考えると非常に生活の負担となります。

糖尿病に限らず病気はできるだけ早期に発見・治療することが、健康面にとってだけでなく金銭面にとっても効率的です。早期からしっかりと治療を継続し、健康をキープして治療にかかるコストを減らすことを勧めます。


<この記事を書いた人>
gorisan
地方の小規模チェーン調剤薬局の薬剤師。薬剤師歴12年。3児の父。認定実務実習指導薬剤師。FP技能士3級。

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