薬局とお金の話⑨~調剤薬局の領収書、何が書いてあるの?明細書の項目について(後編)
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薬局とお金の話⑨~調剤薬局の領収書、何が書いてあるの?明細書の項目について(後編)

薬剤師でファイナンシャルプランナーのgorisanです。「調剤薬局の領収書、何が書いてあるの?明細書の項目について(前編)」では、調剤基本料の内訳について少し細かく解説させていただきました。

後編となる今回は、薬学管理料・薬剤料・特定保険医療材料料・評価療養・選定療養の内訳について解説させていただきます。少し専門的な内容となりますがご容赦頂けると助かります。


【参考】平成30年に厚生労働省が記載すべき項目を明示した領収書の見本

領収書

(引用元:厚生労働省-医療費の内容の分かる領収書及び個別診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について


<薬学管理料の内訳>

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薬学管理料は、カルテの管理や併用薬の確認など薬学管理のために算定される薬剤服用歴管理指導料がベースとなり、疑義照会・情報提供・かかりつけ薬剤師・在宅医療などにより追加で料金がかかるシステムになっています。


(薬剤服用歴管理指導料)


薬剤服用歴管理指導料は、カルテの管理と併用薬の確認など薬学管理にかかる料金ですが、過去の来局日とお薬手帳を持参しているかどうかによって料金が変わります。詳しくは以下の通りです。

・3ヶ月以内に来局かつお薬手帳持参 = 43点
・お薬手帳忘れ = 57点
・3ヶ月以内の来局なし = 57点
・特別養護老人ホーム入居者 = 43点
※1点=10円。これに自己負担率を掛けた金額が自己負担額です。

お薬手帳を持参すると自己負担額が安くなると聞いたことがあるかもしれませんが、このような仕組みになっています。3割負担であれば3~40円、1割負担であれば10円程度の差額が毎回発生します。

お薬手帳がないと併用薬のチェックは(自分の飲んでいる薬名と用量を正確に覚えている人は稀なため)非常に困難なので、理にかなっていると思います。もちろんお薬手帳アプリでもOKです。

また麻薬・ハイリスク薬(抗がん剤・免疫抑制剤・不整脈用剤・抗てんかん薬・血液凝固阻止剤・ジギタリス製剤・テオフィリン製剤・精神神経用剤・糖尿病用剤・膵臓ホルモン剤・抗HIV剤)などが処方されている場合は、適切な指導と薬学管理を行うことで麻薬管理指導加算(22点)または特定薬剤管理指導加算1(10点)が算定されます。

他に処方せんの内容や併用薬との飲み合わせに問題があり、薬剤師が病院へと問い合わせ(疑義照会)を行い処方変更となった場合には、重複投与・相互作用等防止加算が算定されます。

これには残薬調整も含まれますが、残薬調整の場合は30点、それ以外であれば40点となります。残薬調整には時間もかかるので、病院であらかじめ残薬調整を処方前に依頼しておくほうが効率がよいです。

(かかりつけ薬剤師指導料)

かかりつけ薬剤師とは、簡単に言うと薬剤師の指名制です。自分の担当となる薬剤師を指名・契約することで、自分のことを分かってくれている薬剤師に服薬指導をしてもらうサービスです。

この場合、薬剤服用歴管理指導料ではなくかかりつけ薬剤師指導料(76点)が処方せん受付ごとにかかるため若干割高となります。ただし手帳の持参により点数が変わるなどはなくなります。

(在宅患者訪問薬剤管理指導料)

在宅医療により患者宅または老人ホームなどへ薬剤師が訪問、処方薬をお届けし服薬指導を行うサービスを行った場合、薬剤服用歴管理指導料ではなく在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定されます。

介護保険を使うか医療保険を使うかで金額が変わりますが、ほとんどのケースで介護保険を使用する方が多いです。介護保険であれば自己負担額は341~517円、医療保険(1割)であれば290~650円となります。


<薬剤料・特定保険医療材料料の内訳>

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薬剤料や特定保険医療材料料は、処方される医薬品・医療材料の合計金額です。医薬品や医療材料は厚生労働省の定める薬価基準に基づいて価格が決定されています。そのとめ全国どこでも同じ金額です。

2021年度より毎年4月に薬価改定するようになり、基本的には価格は徐々に下がっていきます。ただし、あまりにも安すぎて製造・流通コストが赤字になるような商品は値上がりすることもあります。


<評価療養・選定療養の内訳>


評価療養は、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた先進医療など。選定療養は、厚生労働大臣が定める患者の快適性・利便性に関する料金で、個室料金などですが、調剤薬局で算定されることはほとんどありません。

調剤薬局で料金が算定されている場合は、水剤や軟膏の容器代であることがほとんどです。容器代は調剤薬局により異なりますが50~100円である薬局が多いです。算定していない薬局もあります。


<まとめ>


調剤基本料、技術料、薬学管理料、薬剤料・特定保険医療材料料、評価療養・選定療養の中身がなんとなくイメージできましたか?これが分かれば、調剤薬局でかかっているお金の内訳がわかると思います。

今回は薬剤料が高かったんだなと思うこともあれば、薬剤料は安いのに他の手数料でこんなにかかっているの?と思うこともあるでしょう。でもそれは何にお金を払っているのか理解できたということです

今まで言われるがままにお金を払っていたとすれば、これからは自分で考えてジェネリック医薬品へ切り替えてもいいですし、薬局を変えてみてもいいと思います。本記事がその手助けとなれば嬉しいです。

<この記事を書いた人>
gorisan
地方の小規模チェーン調剤薬局の薬剤師。薬剤師歴12年。3児の父。認定実務実習指導薬剤師。FP技能士3級。

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