日本の公的医療保険制度について教えて!(社保・国保、負担割合、地方公費、高額療養費制度について)~薬局とお金の話③
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日本の公的医療保険制度について教えて!(社保・国保、負担割合、地方公費、高額療養費制度について)~薬局とお金の話③

薬剤師でファイナンシャルプランナーでもあるgorisanです。第1回・第2回では「調剤薬局の領収書、何が書いてあるの?」というテーマで調剤報酬を分かりやすく説明させて頂きましたが、今回は日本の公的医療保険制度について簡単にお話させてもらいますね。

まず日本の公的医療保険制度は、世界的に見ると異常なほど充実していることを知っておいてください。ファイナンシャルプランナーが言うのもどうかと思いますが、公的医療保険制度をしっかりと使いこなせば民間の医療保険に入る必要はほとんどありません。

・負担割合は最大でも3割(後期高齢者であれば1割)
・高額療養費制度を使えばほとんどの方は月10万円以上医療費がかかることはない
・公費制度を使えば、子供には医療費はほとんどかかりません
・特定の疾患の治療費は助成され、身体障害や経済状況も考慮され治療は減額もしくは無料となります。


他にも多数該当や医療費控除などの制度もありますが、僕が知る限りでもすべて話すと終わる気がしないので、今回は基本的な部分についてまずお話させて頂こうと思います。

<国保、社保の違い>

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国保は国民健康保険のことで主に自営業の方や学生、無職の方が入る保険です。前期高齢者・後期高齢者医療制度もこちらに含まれます。社保の方の扶養の場合は、第3号被保険者とよばれ国保ですが保険料を収める必要はありません。
社保は社会保険のことで主に会社員の方や公務員(共済保険)が入る保険です。扶養という概念があることが国保との大きな違いであり、保険料も会社との折半なので国保と比べると随分安いです。
実は社保は国民健康保険の第2号被保険者なので、厳密に言えばすべて国保なのですが、医療機関でも国保と社保は請求先が異なるので便宜上分けて考えています。ただしどちらであっても受けれる医療や助成については差がありません。健康診断の助成制度が若干異なるくらいです。

<全国公費と地方公費>

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実は公費には、国の制度としてある全国公費(生活保護、特定疾患、自立支援など)地方公費(乳幼児、障害者、ひとり親など)の2つがあります。地方公費は住んでいる都道府県や市町村によって助成制度が変わるのが特徴です。
生活保護や乳幼児助成は有名ですが、国が指定した特定疾患や精神疾患の自立支援、障害者やひとり親への助成制度は知らない方も結構いるので、医療機関で質問されることが意外と多いです。制度もなかなか複雑なので、勤務先が変わる度に私も一応調べるようにしています。
これらの公費を利用できれば自己負担額はさらに少なくてすみ、場合によっては全額公費が負担してくれます。しかし、申請などは多少ややこしいので、患者さんによく質問されるポイントでもあります。

<高額療養費制度とは?>

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(参考サイト)高額療養費制度を利用される皆さまへ―厚生労働省―
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html

手術や抗がん剤による治療など、通常であれば数十万~数百万する治療は誰しも受けられる訳ではありません。しかし、高額療養費制度を使えば誰でも十万円程度の負担で受けられるという医療制度です。
収入によって計算式が変わりますし、数年ごとに計算式が見直されているので、実際に治療を受けるときに調べればよいと思いますが、一月単位(1日~末日)で上限額が設定されていることと、多数該当の2つは知っておきましょう。
一月単位で上限額が決まっているので、白内障の手術など複数回の手術が予定されている場合は、月をまたぐと医療費が高くなることが多いです。緊急でない予定手術の際には、考慮するとよいかもしれません。
そして仮に治療が長引いたり、高額の医薬品を継続して使用する場合には多数該当という制度があります。過去12ヶ月の間で高額療養費制度を3回以上利用している場合さらに上限額を引き下げる制度です。それでも自己負担額の支払いは大変ですが、知らないと大きく損をしてしまう制度です。

これらの制度は医療機関から提案してもらえるケースがほとんどですが、私の薬局でも患者さんから聞かれることがあります。私の場合は保険が得意分野なので白熱して説明してしまいますが、とても喜ばれます。皆さんもこうした相談ができる薬局を選んではいかがでしょうか。

<この記事を書いた人>
gorisan
地方の小規模チェーン調剤薬局の薬剤師。薬剤師歴12年。3児の父。認定実務実習指導薬剤師。FP技能士3級。

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